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俺が階段を上り終わり、鉄の扉を開けるとJが立っていた。
立っているとゆうよりも、持っている杖に体を預け、まるでパントマイムをしているような状態だ。
「如何でしたか?」
「別に。つーか、お前に聞きたい事がある」
「何でしょう?お答えできる範囲内でしたら、お話ししましょう」
Jは真っ直ぐ立ち、少しお辞儀をした。
「お前は何者だ?どうして、お前の紹介状だけで優遇されるんだ?」
「そんな事ですか。それは、私がブラックランクに在席する三人の内の二人は、私がスカウトしたからです。所謂、敏腕案内人という訳なのです」
……何か引っ掛かる。
Jの今の言葉は本当だろうが、それだけじゃないはずだ。
「今は、そういう事にしておく。いずれ本当のお前を暴いてやるよ」
俺はJを横目で見ると、その場から立ち去った。
しかし、俺は聞き逃さなかった。
Jの本心から出たであろう一言を。
「クックック……貴方は私の獲物ですよ」
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