“崩れた日常”

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突然、後ろから声がして振り向いてみると、何やら胡散臭い奴が立っていた。 シルクハットに気味の悪い仮面。タキシードに杖を持ったトランプのジョーカーに描かれているような容姿だ。 「ここは仮装パーティーの会場じゃねえぞ?」 「クックック。冗談がお上手のようで。私はあなたに用があるのですよ立花蓮次様」 何なんだよこいつは。つーか、何で俺の名前を知っている? こういう奴には関わらない方が身のためだ。 「はぁ? 俺にはねぇよ」 俺がトランプ野郎を無視して振り向くと、振り向いた視線の先に立っていた。 仮面をしているせいか、表情が分からない。笑っているのか? 怒っているのか? 不気味な雰囲気で俺に近寄って来やがる。 「お話だけでもいかがでしょうか? 職をお探しなのでは?」 「何でそんな事まで知っている? お前は俺のストーカーか?」 「クックック。私には、あなたの情報が全て手中にあります。何故かは黙秘させて頂きますが」 トランプ野郎から引く気配はないな。話だけ聞いて断ればいいだけのことだ。 「わかったよ。話だけは聞いてやる」 「ありがとうございます。では、早速ですが説明させて頂きます」
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