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碧「もしかして、あの子?」
その問いに私はただ頷いた。
同じクラスなのは知ってたけど、顔を合わせずらい。
紘と目が合ったが咄嗟にお互いが目を離してしまった。
碧「なんか思ったよりカッコイイね♪」
玲「ハァ…?」
確かにカッコイイとは思うわよ、けど私の話の後で何でそんな感想が出るのよ…
紘「玲、ちょっと良いか?話があるんだ」
いきなり話しかけられ私は咄嗟に俯いた。
‡
玲「…良いけど……」
玲は俯いたままだったが返事を確認し紘は教室から廊下に出る。
紘「玲、ごめん、わからなかったんだ…」
言い訳染みた事を言いたく無かったので嘘偽り無しに紘は切り出したそして直角になるように頭を下げた。
玲「……」
紘は頭を下げたままの体制で止まり玲は沈黙した。
沈黙を破ったのは玲だった。
玲「……忘れちゃうくらい…どうでも良い存在だって事でしょ!!」
紘「違う、俺はそんな風に思ってないよ!」
二人はそこが廊下だと言うことも忘れて大声を出し、廊下に居た生徒達の視線が集まる。
玲はまた泣いている。
また泣かしてしまった。
そして二人はまた沈黙していた。
何も言えないその時教室から沙夜が顔を出した。
沙夜「玲ちゃん、お兄ちゃんは忘れたくて忘れた訳じゃないんたよ」
沙夜は真剣な表情で玲に近づく。
玲「どう言う意味?」
沙夜「それは…」
『只今より、入学式を始めます。新入生及び在校生は、体育館の方に集合してください。』
紘「後にしよう…」
玲「うん…」
紘達は話が途中であったが体育館に向かう事になった。
‡
全くタイミングが悪い…
忘れたくて忘れた訳じゃないってどう言うこと?
紘に何かあるの?
玲は碧と体育館に向かいながら紘の背中を見つめていた。
聞きそびれて何かモヤモヤする…
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