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夜、紘は風呂上がりで寛いでいると、不意にドアがノックされた。
紘「はーい、どうぞ」
玲「紘…」
ドアを開けて中に入って来たのは、パジャマ姿の玲だった。普段と違い何だが怯えている様な印象を受ける。
紘「どうかしたのか?」
紘が心配そうに玲に近づく。
玲「その……豆…」
紘「豆…?」
豆が食べたいとか言わないよな…
玲「豆電球が…つかないんだけど…」
紘「………」
紘は呆れそうになったが考え直す。
玲にとって豆電球は必需品だったりする。お化けやホラー全般的に苦手な玲は明かりを消した部屋の中で、置いてある家具が襲い掛かってくるお化け等に見えてしまうらしく怖くて眠れないのだ。
紘「そう言えば、あの部屋豆電球が切れてたな、俺の部屋で寝るか?」
玲「なっ…///紘と一緒なんて無理に決まってるでしょ!!///」
紘「いや、別に俺と一緒なんて言ってないから、俺が玲の部屋で寝るから、玲が俺の部屋で寝たら良いと思ったんだけど」
玲は慌てて口を抑える。
玲「べっ別に私はあんたと一緒に寝たかった訳じゃないんだから!!///」
紘「それはわかってるけど…」
紘は少し困った顔で頭を掻く。
玲「わかっているなら良いわよ…///」
紘「で、どうするんだ?」
玲は数回深呼吸してから応える。
玲「紘の気持ちは嬉しいんだけど、紘の部屋は昔から豆電球が有っても一人じゃ眠れないから…」
玲は紘の部屋の本棚や机の辺りを見る。
そう言えば、昔もこんなやり取りをしたような…?
その時は確か、玲と一緒に寝たような…
と言っても記憶によれば小学校下級生位までの話だしな…
紘「じゃあ、沙夜か姉さんに―」
そこであることを思い出した。
そんな事言ったら二人に玲が苦手な事がバレてしまう。
そんな事になったら玲が困るんだった!
まあ何が困るかわからないけど…
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