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「キャァァー―!!!?」
午前7時、朝の静けさを破る悲鳴が相沢家に響き渡った。
悲鳴の発信源に桜と沙夜が駆けつける。
桜「どうしたの!?」
沙夜「何々!?」
『えっ…?』
二人が見たのは、右拳を突き出した格好で固まる玲と、左頬を押さえて尻餅をついている紘だった。
桜「二人ともどうしたの?」
玲「えっ…え―と…」
桜の問いに玲は我に返る。
紘「どうしたと言うか…」
紘は頬を擦りながら立ち上がる。
紘「玲を起こしに来たら、いきなり悲鳴上げて殴られたんだよ…」
玲「いや…その…寝ぼけてたのよ……//」
顔を赤くしながら俯いて応える。
沙夜「何だ、てっきりお兄ちゃんと何か有ったのかと思った」
紘「そんな訳無いだろ…」
桜「朝食もうすぐ出来るから、着替えて降りてきてね」
桜はそう言い残すと沙夜と一緒に部屋を後にし、リビングに向かった。
紘「起きて早々顔面にパンチは酷いだろ…」
紘が苦笑いで玲を見る。
玲「悪かったわよ…それにしても……」
玲はキョロキョロと部屋を見渡す。
玲「私の部屋…?」
玲の言う通り昨夜紘の部屋で眠りについていた筈だったが、目覚めてみると割り当てられた自分の部屋に居たのだ。
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