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紘は廊下を走り碧から逃げていた。
本来廊下を走ることは注意の対象になるかも知れないが、今はそんな事を気にしていられない。
暴走状態の碧から逃れるため、登校してくる沢山の生徒達の間を縫うように走る。
碧「相沢くん♪逃げないでよ~♪」
紘「無理言うなよー!」
紘は携帯のディスプレイを確認する。
ホームルームまで後十分流石にそれまでには諦めるだろ…
と、その時
ドカッ
紘「えっ!?」
後方から何かが転倒する音がして絋が振り返る。
碧がうつ伏せで倒れていた。
紘「おい、大丈夫か?」
紘は自然と足を碧の元に進めていた。
碧「うっ、うぅ」
紘「立てるか?おい!?」
紘は屈み手を差し出し、碧はその手を掴み紘に飛び付き押し倒した。
碧「相沢くん♪今度は逃がさないよ♪」
碧は紘の腹の上に乗り、マウントポジションを取る。
やられる…!?
「何やってるの?」
声の先には生徒会の腕章を付けた一人の美少女が立っていた。
茶色の長い髪、にスレンダーな身体付き、見た目から病弱な印象を受ける様な美少女だった。
「学校の廊下で堂々と性交渉?」
紘「違います!?この状況をそう言う風に認識しないでください!!? 」
「まあ、普段そんな場面を目にしても止めないようにしているんだけど」
紘「無視ですか!?」
「生徒会の副会長として、学校での不純異性交遊を見過ごす訳にわいかないのごめんなさいね」
えっ、副会長!?
副会長って確か、三ノ宮華帆(サンノミヤカホ)さん
紘「あの…本当に違うんで、出来れば助けてくれると助かるんですけど…」
華帆「冗談よ、助けてあげるから」
落ち着いた声のまま華帆はそう言うと、髪を撫でる。
冗談を言っているように見えない…
華帆「そこのあなた、彼が魅力的なのはわかるわよ、けど場所を弁えなさい。」
そう言うと華帆は、右側を向く。
ここは……
二年生の教室前!?
沢山の二年生がこちらを見ていた。
写真を撮っている者までいる。
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