プロローグ

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ここは…… 眠った途端昔の光景が目の前に現れた。 幼い頃のランドセルを背負った紘が複数の上級生に苛められていた。 苛められている紘は無抵抗で叫ぶ事も泣く事もやり返す事もせずに無抵抗で俯くばかりだった。 そんな中一番ガタイの良い男子生徒がが紘を殴り飛ばす。 紘はそれでも立ち上がり俯くだけで苛々し始めた者が再び紘を殴りにかかる。 「コラー!!紘を苛めるな!!」 一人の少女が拳を振る舞わしながら走ってくる。 「何だお前?」 「五月蝿い!紘を苛めるな!!」 少女が上級生を殴り飛ばす。 「クソー!!覚えてろよ!」 少女に殴り飛ばされ男の子達は半ベソをかきながら走り去って行く。 紘「――どうしたの?」 「どうしたのじゃないでしょ!!何でやり返さないのよ!?」 紘は少女に微笑みながら尋ねると、少女の方が怒りながら紘を怒鳴り付け、紘は困った様に頬を掻いていた。 膝や肘、頬からは血が滲んでいる。 「こんなにボロボロになって何でやり返さないのよ!?」 紘を見ていた少女の方が泣いてしまいそうだ。 紘「大丈夫?――の方が泣きそうだよ」 「五月蝿いわね!泣いてなんか無いわよ!それより、何でまた苛められてるのよ?」 紘「どうしてだろうね?」 紘の様子を見ていた少女は溜め息を吐く。 「また苛められたら私が守ってあげるわよ」 そう言って少女は微笑んでいた。
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