30人が本棚に入れています
本棚に追加
『えー!!!?』
華帆「何で相沢くんまで驚いてるのよ?」
玲の言葉に紘、華帆、碧の三人が驚きの声を上げ、華帆が紘にツッコミを入れる。
紘「だって、俺には…その時の記憶が無いです…から…」
記憶が無い…
言葉に出したら嫌になる…
碧「えっ?相沢くん」
華帆「記憶が無いの?」
二人は驚きながら絋に尋ねる。
紘「はい、俺昔交通事故に有って、それが原因で記憶が無くなったんです…と言っても大部分戻ってると思うんですけどね…」
紘は苦笑いを浮かべながら頬を掻く。
玲は「あっ」と小さく声を漏らし俯く。
紘「その…ごめん、玲…」
玲「何であんたが謝るのよ……ごめん…紘…感情的になりすぎた…」
急にシュンとした玲に釣られるようその場が静まり返る。
‡
紘「さてと、姉さん、今日夕飯俺が作るよ」
桜「ありがとう」
紘が笑顔で桜さんにそう言うと立ち上がる。
けどその笑顔は何だが無理をして笑っている様に見えた。
人の事気遣って笑ってるけど、本当は心の内じゃ悲しんでるんだ…記憶が無いことを…
桜「二人も食べて行くでしょ」
桜が笑いながら尋ねる。
華帆「そうさせてもらおうかしら」
碧「私も喜んで御馳走になります」
二人も紘を気遣い明るくしていた。
紘は腕捲りをしてエプロンを着けると台所に立ち料理をし始める。
慣れた手つきで包丁を手に野菜を切っていく。
私は先程の軽率な発言を気にしつつ碧と桜さん達の話に交ざり、相槌を打っていた。
最初のコメントを投稿しよう!