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一人の少女が止めに入った。
短い黒髪に少し吊り上がった目整った顔立ち美少女と呼ぶに相応しい少女だ。
あれは…
「うるせぇ!女は引っ込んでろ!」
「ふっ!」
少女が男子生徒の手を捻り上げる。
「イデデデ、離しやがれ!!」
反対の腕で少女を殴ろうと、再び拳を振り下ろし、紘が振り下ろした拳を受け止める。
紘「女の子に手を上げるなよ、そう言うやつ、俺は最低だと思う」
紘は男を睨み付け、そして男を突き飛ばす。
男は舌打ちするとその場を離れる。
紘「後君さ、コイツはガタイも良いし片腕捻り上げるだけじゃ危ないよ」
紘が振り返ると、少女は驚きながら目をパチパチさせていた。
紘はその様子に首を傾げる。
紘「どうかした?」
「ひろ…よね…?」
紘「そうだけど、君―」
紘が言葉を言い終わる前にその言葉は遮られた。
少女が紘に抱きついて来たからだ。
「久しぶり、紘」
そう言って少女が微笑んでいるものの、紘はこの少女が誰だか分からない。
紘「あのさあ、聞いて良い?」
「何?」
紘「君…誰……?」
紘がそう言って数秒後乾いた音が響いた。
パンッ
頬に痛みが走った。
「最低……」
そう言って走り去る少女の目には涙が流れていた。
沙夜「お兄ちゃん大丈夫?」
後ろから駆け寄ってきた沙夜が紘の顔を覗き込む。
紘「大丈夫だよ」
沙夜「それにしてもあれは酷いよ」
沙夜が呆れながら紘を見る。
紘「えっ?」
沙夜「さっきの玲ちゃんだよ、相原玲」
え…?
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紘「!?」
沙夜「思い出した?」
紘「ああ……」
相原玲(アイハラレイ)俺の…幼馴染みだ……
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