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「え?あの量を昨日のうちに終わらせたの?」 高科は驚いたようにつぶやいた。 ナメてもらっちゃ困る。 こんな地味でなんの取り柄もない私だからこそ、言いつけられた仕事くらいはスピーディーにこなさなきゃいけないと毎日奮闘しているのだ。 「ありがとう。助かるよ。」 高科が少し微笑んだ。 ドキっとした。 どうして高科やあゆみみたいなきらびやかな人種は、人の目を真っ直ぐ見て話せるんだろう。 私なんかだいたいうつ向いてしまう。 「い、いえ。」 そう一言告げるのでさえ、相当な労力だ。 黙々とパソコンに向かっていた方が、100倍楽なのだ。 「今は何かの作業中?」 高科がパソコンの画面を覗きこんできた。
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