Ⅱ,破綻した世界

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浦原虹の生き様は、燃え盛る炎のそれである 一瞬一瞬を輝かしく生き抜き、どんな逆境に置いても決してその鋭き眼光は揺るがない 常に全力で それでいて酷く儚い さながら死の直前に華々しく燃え盛る炎の様に 彼女は強く美しく そしてそれ故に 誰よりも何よりも危うい存在だった 何故ならば、 彼女の根底にあるのは、 ただただ純粋な―― 紅く暗く燃え盛る狂気だからである 「はーいお仕事終了っと」 辺りは一面真っ赤 今日は少しばかり散らかしすぎたかもしれない、と彼女は思う 「最近運動してなかったせいかなぁ?」 ぱしゃぱしゃと自らが作り出した水溜まりを歩きながら自問自答する 「でも臨也とかシズちゃんとは遊んでるし…」 真っ赤に染まった両手をウェットティッシュで吹きながら、尚も彼女は思考する 「あーそうだ、運動してなかったせいじゃなくてあばれてなかったせいだ」 納得、と笑う 「さーてと帰りますか」 ぶ ち ゅ り 足元で鈍い音 「あ、踏んじゃった」 ひしゃげた眼球 「あはは、ほんと人って脆いなぁ…」 きゃらきゃらと笑いながら 彼女は扉に手をかけた 「それでは皆様ごきげんよう~」 純粋故に底知れぬ狂気 何処までも狂っていながら 狂っているからこそに成り立つ生活 狂気と言う常識と 憎悪と言う正気 殺意と言う日常 そんな神々しいまでの狂気を抱きながら―― かのじょ 浦原虹 は、今日も笑って生きる Fin.
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