再会は突然に

15/17
前へ
/93ページ
次へ
「よくわからないが悪かった」 「…………」 無視か。 流石に俺としてもこのままは嫌だな。 あんまりいいことではないが話題を変えるか。 「茅とは小学校以来だな」 「…………」 「昔から変わらないな茅は。俺はお前のこと直ぐわかったぞ」 「…………(ピクッ)」 変わらないというのは失礼だったかな? 「でも、すごく魅力的になってた」 「…………ずるいぞ」 「え?なんだって?」 「な、なんでもない」 なんて言ったんだろ今? っと残念ながらここまでか。 何時の間にか茅の家の前だ。 「着いたぞ茅」 「あ………」 「じゃあな。また連絡取ろうぜ」 と言って俺は来た道を戻る。 実は俺の家は逆方向なのだ。 「ちょっと待て一輝」 「ん?なんだ?」 「お前の家はあっちだろう?」 そう言って茅が指差した方向は………“九童家”だった。 「違うよ茅。今の俺は―――」 あそこは俺の家じゃない。 俺の家は――― 「―――“番”一輝だ」 ―――あそこにはない
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加