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「…お前ら後で覚悟しとけよ」
「それは俺のセリフだろ?」
「いいや、僕だ」
「………俺」
全員(自分も含み)譲らないようで………
「取り敢えず今はこっちで勝負だ」
と、信二の一言で大富豪が再開される。
「ハートの5!!」
「俺はスペードの7!!」
「………ダイヤの9」
「なら僕はハートの……」
「させるかぁ!!」
「うぎゃあ!!」
「危なかった」
「信二!!今のはずる過ぎるよ!!」
「クローバーのQ!!」
「一輝!!普通に進めないで!!」
かなりハードな大富豪だが。
まあこれが俺たちの関係なんだろうけど。
「だけど君たちの努力は無駄だよ。何故なら僕はもう残り二枚だ!!」
「「「なん……だと……」」」
いつの間にそんな状態に!?
「そして、これでラスト一枚だ!!」
出てきたカードはスペードの2。
もう、上がってしまうだろう。
「さぁ三人とも素直に負けを……認め………」
しかし、何故か勝ちが決まった四士緒が顔を青くしていく。
「どうした四士緒。顔面蒼白だぞ」
「早く俺たちにとどめを出せよ」
「………何があった?」
「……何でもない。今からやるよ」
そう言って四士緒が一呼吸おいて
「………パス」
「「「何があった!?」」」
何で最初に出す奴がパスを!?
「まあ、大方反則になるカードでも残したんだろうな」
あ、なるほど。確かに大富豪では(ローカルルールが沢山あるが)ジョーカーと2、8切りがあるなら8も最後にしてはいけないんだった。
「ということで一輝、このバカは無視してお前からだ」
「そうだね」
「………バカ」
四士緒は無視して先に進むことに。
結局四士緒は最後の一枚を出さないまま二週、三週と過ぎていく。
そんなこんなでゲームを続けていると。
「よう、お前ら許可がおりたぞ」
先生が来た。
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