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「もう!みんなひどいよ!」
今日何回目であろうか、同じセリフを四士緒が叫ぶ。
「しょうがねぇだろお前が真っ先に負けたんだから」
「そりゃ負けるよ!三人同時に僕の所に来たら!」
あれはひどかった。
開始と同時にアイコンタクトをして四士緒に襲いかかったからな。
まあ、俺も奢りたくなかったのでその作戦に乗ったが。
「それに何!?一品って言ったよね!?なんでみんな一番高いハンバーガーのセットなの!?」
「「「ゴチになります」」」
「そうじゃないでしょ!!」
良かった、これで今日の夕飯代が浮いた。
「わかったよ四士緒。ほらこれやるから」
優しいなぁ、信二は。
「わ~い、ありがとう信二。僕信二のそういうところ大………嫌いだよっ!!何コレ!?手をふくやつじゃん!!」
「な、お前ありがたく思えねぇのか?お前にそれを渡したせいで俺の手はポテトの塩まみれなんだぞ?」
「舐めればいいじゃんそんなの!!」
相変わらず飽きないでやってるなぁ二人とも。
「落ち着けよ、四士緒。ほら、俺のジュースの残りやるから」
「マジで一輝!?じゃあお言葉に甘えて………ズズズッ…………あれ?」
「すまん飲み過ぎた。氷しか残ってないや」
「嘘つけ!!明らかに確信犯だろ!?」
失敬な。人の厚意を犯罪扱いとは。
「………四士緒、これ」
「待て、三弦。いくら僕でもゴミしか入っていない紙袋は受け取らないぞ」
「………臭いはある」
「食欲がそそられるだけでしょ!!」
これが俺たちの何時もと変わらない下校風景。
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