よんー

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まずは、 彼の心を楽にしてあげなければいけない。 が、 私も何分、そんなにできた人間ではない。 辺銀には言いたいことが、たっくさんあるのだ。 「ふざけるんじゃないですよ。」 そして、抑えられるわけもない。 「私が、この1か月間、どんなに辺銀のことを考えていたか。」 自分の感情を押し殺しておくのも簡単じゃないのだ。 「聞いてくださいよ、この口調。わかりますか?そう…あなたのものですよ。私はね、あなたの口調がうつってしまうくらいに、辺銀のことを考えていたわけです。それがなんですか、いざ来てみればこのありよう。私は情けないですよ。」 抑えに抑えていた私の口はもう止まらない。 「辺銀は弱い。そして脆い!なんですか、ワタシにたった一度囁かれたぐらいでその有様は。最悪ですよ。私は悲しくて悲しくて今にも涙が出そうですよ。」 目から血の涙が出そう。 「初めに、ワタシか傍観した彼女は、十回以上、ワタシの囁きに堪えました。次にワタシの被害者になった彼は、半年以上耐え抜きました。その次の彼女は1年以上。そして、高校に入ってから傍観した彼女は、3年間、ワタシに囁かれながらも、それに耐え続け、尚も私と友達でいつづけました。それなのになんですか、それは。私は辺銀以上に人間が出来ていなく馬鹿ですが、あなたよりは優れていますよ。辺銀以外の、ワタシに傍観された人々はそれ以上に強かった。」 少なくとも、布団でカタツムリ状態には誰もならなかった。
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