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「かしこまって相談だ、なんて言うから何事かと思ったら…。」
「ご期待に応えられない相談事ですいませんでしたね。」
この問題は、たいしたことなさそうで
重大な問題だったりするのだ。
「そういうわけじゃないんだけれど…」
とぼけた顔してますけどね、栖関さん。
「元はあなたのせいなんですけど…あんな状況で私が耐えられるわけないじゃないですか。栖関さん、分かってましたよねー?」
「わかってたけど、理解はできてなかったみたい。そんな心の一番深く暗い部位をピンポイントで刺すなんて殺生なこと、話に聞いているのとは違いますよ。」
「そこは言わないでください…だって今まで堪えに堪えた分が一度に発散したんですもん。これぐらいで抑えられたのは奇跡に近い気が。」
所謂、ぶちぎれた。
というやつかな。
溜りに溜まった日頃の欲求が。
「そう言いますけどね、実際、家族問題ほど他人が踏み込んではいけないものはありません。先生も社会にでた子供の一人ならそれくらいわかるでしょう?」
一応社会にでた大人ですが。
「うーむ。」
もう言っちゃったんだから仕方があるまい。
Let’ポジティブ!
「しかし、そうですね。この問題は結構重大ですね。もう来週には原稿を入稿してしまわないといけないのに。許可を取ることが出来ないと連載できないです。」
「許可を取れるか取れないかの前に、まず辺銀に会えるか会えないかの問題ですな。」
そうなのだ。
辺銀はワタシに囁かれてからかれこれもう一か月。
私に会おうとしてくれないのだ。
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