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ピーンポーン。
そのチャイムは私の寝起きのぼんやりタイムを邪魔しやがった。
昨日館長に拉致られたときに来ていた
ジャージが行き場もなく転がっているなか、
それを縫うようにして玄関へと向かう。
「おはよう美空さん。」
そこには、街中に溶け込みえない白衣を来た雅記が立っていた。
「…何。」
寝起きが悪いのは辺銀同様である。
朝っぱらから雅記の顔を見たのなら尚更のこと。
「辺銀君家の鍵、持っているだろう?貸してちょうだーい」
「あー…。はい。」
「どもども。んじゃーねー。」
その時は、どうせ雅記がしょうもないいたずらを仕掛けに行くのだろう。
ぐらいにしか考えなかったが、
思えばあの時、
雅記は辺銀の鍵を剥奪しにきたに違いない。
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