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『リア充』という言葉をご存知だろうか。
知らないという人はごく正常な、それこそきっと『リア充』と呼ばれる類の人なんだろう。
かくいう僕は―――リア充、なわけがない。
お昼は一人、帰宅も一人。当たり前だ。
部活も同好会も無所属。当たり前だ。
休み時間は狸寝入り。話しかけられても逆に困るし。
教科書を忘れたら泣き寝入り。隣の人に見せてもらうだなんて無謀甚だしい。
休日はもっぱら趣味の時間。大型連休は引きこもるのが通例。
携帯の電話帳は家族だけ。受信履歴も発信履歴も親、姉、弟。弟、姉、親。
メールなんて家族二割、メールマガジン三割、迷惑メール五割。どこから漏れたんだか。
そんなこんなで、僕は青春を謳歌し損ねている非リア充。
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