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ベンチの背もたれから覗き込むと、一人の女生徒が携帯電話を耳に押し当て喋っているのが見えた。
(なんなんだよ……どっか行けよな……てか誰と電話してんだ?)
一生かかっても知ることはないだろうな。
と、いつの間にか女生徒は携帯を下ろして、画面を見つめていた。画面はここから見る限り真っ暗だけど……。
「友達欲しいなぁ……」
ボソリと呟く女生徒。なんて言ったんだ? ていうかどうなってるんだ、あれ?
何一つ理解出来ないまま、女生徒は校内へさっさと戻って行ってしまった。
なんだか知らないが、気付かれる前に立ち去ってくれてありがたい。
「……あ」
隠れた勢いでぶちまけた愛姉弁当は、見事コンクリートに食われていた。
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