桜舞う頃に
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『長い間桜の樹に蓄積された魂が解放されたら世界の均衡が崩れてしまう。だから僕は桜が枯れたら直ぐに回収出来る様待機しているのさ。』 其れから毎年桜の蕾が膨らむ頃に遣って来て、最後の一片が散るのを見届けてから去って行った。 桜が枯れるのを待っているとはいえ、彼女が人の命を奪う瞬間を唯見ているだけなのだから其れも或る意味共犯者。繰り返される予定調和。緩やかに穏やかに時は流れて。
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