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ある人が言った。
「君の人生という物語の主人公は君なんだ」と・・・
俺にとってこの言葉は希望であり、また俺を落胆させる言葉でしかない。
矛盾しているが事実。
小学生の頃、親の仕事の都合で転校したことがある。
小学生にとっちゃ転校生なんて注目の的であり、目立てるイベント。
俺も期待と高揚した気分で初日を迎えた。
初めに校長室に行き、扉を開けると子供が3人・・
全員転校生だという。
しかも同じクラス。
みんな格好良い。
俺だって不細工なわけではない、いたって普通だ
担任に連れられて教室に向かい、担任の合図で教室に入る。
クラスが騒ぐ。
自己紹介が始まり、最初の3人に女子どもが騒ぐ
俺の順番になり自己紹介をすると拍手が疎らであった。
つまり最初の3人に埋もれたわけだ。
一大イベントが無駄になった。
中学の体育祭。
クラス対抗リレーのメンバーに選ばれた俺は嬉しかった。
脚には自信があった。
運動神経は良い方だし、勝てる自信があった。
自分の順番になり、前には1人。
あれを抜かせば1位。
俺は一躍ヒーロー。
頑張った。
頑張って、走った。
俺は前のやつを抜かしトップに躍り出た。
次の走者にバトンを渡し、これでヒーローだって思った。
しかし俺がバトンを渡した奴が2人に抜かされた。
そしてアンカーに バトンが渡り、アンカーの奴は抜き返し1位でゴール。
ヒーローはそいつになった。
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