プロローグ

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「ぐわぁぁぁあああ!!」 叫び声が、部屋の中に響き渡った。 部屋には長机が二つ繋げられており、その周りに座布団が敷かれている。 他には黒いテレビと布団なんかが入っている押し入れ。 長机の中心に置かれている鍋を囲むように五人が座っていた。 叫び声を上げて寝転がったのは工藤涼太。 短髪とは言えず、かといって長髪とは言えない微妙な長さの髪。 体は細身気味だ。 「だ、大丈夫か。おい!?」 その隣で、心配するように工藤を揺すっているのは高崎渉。 少しチクチクした感じの髪に少し悪い目つきの顔。 「一体何を食べたんだ、工藤ォ」 中心の鍋の中身は不明。誰一人、何を入れたのか知らない。 俗に言う闇鍋というものを、渉たちは行っていた。 そして、得体の知れない何かを食べた工藤はリタイアした。 「……分からない。何かフニャフニャした感じだった。食べた瞬間に……」 ガクリと首を垂らす。 「食べた瞬間何なんだ工藤!!」 一生懸命工藤を揺するが、目を覚ます気配はしない。 「少し寝かしてあげればいいじゃないですか……」 声を震わせながら言うのは花形愛美。 茶髪のボブに、パッチリ開いた目を睫毛が縁取っている。 現在に限り、その目は半開きだった。 「……工藤。仕方ない、次はお前の番だよな。愛美」 「あれ、そうでしたっけ? 確か里菜ちゃんだったようなぁ……」
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