4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぐわぁぁぁあああ!!」
叫び声が、部屋の中に響き渡った。
部屋には長机が二つ繋げられており、その周りに座布団が敷かれている。
他には黒いテレビと布団なんかが入っている押し入れ。
長机の中心に置かれている鍋を囲むように五人が座っていた。
叫び声を上げて寝転がったのは工藤涼太。
短髪とは言えず、かといって長髪とは言えない微妙な長さの髪。
体は細身気味だ。
「だ、大丈夫か。おい!?」
その隣で、心配するように工藤を揺すっているのは高崎渉。
少しチクチクした感じの髪に少し悪い目つきの顔。
「一体何を食べたんだ、工藤ォ」
中心の鍋の中身は不明。誰一人、何を入れたのか知らない。
俗に言う闇鍋というものを、渉たちは行っていた。
そして、得体の知れない何かを食べた工藤はリタイアした。
「……分からない。何かフニャフニャした感じだった。食べた瞬間に……」
ガクリと首を垂らす。
「食べた瞬間何なんだ工藤!!」
一生懸命工藤を揺するが、目を覚ます気配はしない。
「少し寝かしてあげればいいじゃないですか……」
声を震わせながら言うのは花形愛美。
茶髪のボブに、パッチリ開いた目を睫毛が縁取っている。
現在に限り、その目は半開きだった。
「……工藤。仕方ない、次はお前の番だよな。愛美」
「あれ、そうでしたっけ? 確か里菜ちゃんだったようなぁ……」
最初のコメントを投稿しよう!