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「二人目……」
渉は恐れるように呟いた。
「……次は恭ちゃんだよね?」
里菜はテレビの前にいる今まで黙っていた女の子を見た。
ポニーテールで髪をまとめ上げているその女の子は、ニッコリと笑った。
「おやおや、いつの間にかわたしの番? しまったなー、ついついテレビに見入ってしまったよ」
テレビは今、バラエティー番組が放送されていた。
「そうかいそうかい。ついに私のターンがきたのかい。待ちわびたぜぃ」
フッフッフッ。と、笑いながら最初の場所(里菜の隣)に戻る。
その足取りは何故か軽やかだ。この状況を楽しんでいるようだった。
「いくぜぃ、私のターン!!」
そう言って、恭子は箸で食材を掴み、神様に見せつけるように天にかざした。
「熱っ!! おい、成瀬。汁が垂れてる!!」
勢いよくかざされたせいで食材から飛び散った汁が顔にかかり、渉はそれを拭き取る。
「おっと悪いねー。でも誰も私を止めることは出来ないよ!! いざ参らん!」
パクッと、食材を口に入れた。
味わうようにじっくりと噛み、そして飲み込む。
「んぐ、んぐ……。きゅう」
変な言葉を発して、恭子はバタリと倒れた。
「成瀬ぇーーー!!」
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