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現在八月二十日午後五時。先輩が指定した近所の馬鹿デカい神社の御神木辺りへ集合した帰宅部の面々。神社も御神木も馬鹿デカい。
「よっ、みんな宿題はやってんのか?」
と帰宅部の頭脳、唐島順也。この先輩はきっと宿題など夏休みが始まる前に終わらせるんだろうな。某有名私立大学A判定を叩き出したと聞いた。
「やるわけないじゃん。てか無くした」
こちらは帰宅部のアホ、アホ子である。本名は忘れた。俺とタメで唐島順也とは先輩後輩の関係なのだが、敬語など使えない。真性のアホで、渡された物は十分以内に無くす。人に見られたくない点数のテストはコイツに渡せば安心だ。もはやアホというレベルを超越している。アホ子は異世界への干渉が可能らしいという噂さえ流れた。
「風が……吹いておる……」
罰当たりにも御神木に登り風を感じているのは帰宅部のエースにして喜野高の神、篠原鈴だ。マジかよ。あんなところにいるなんて予想外すぎる。俺は思わず飛び出しそうになる目を左手で押さえ、俯いた。
同じく隣で俯いているのが帰宅部の花、吉沢可憐さん。
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