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広げた自分の手の平を見る。
青ざめてもなく、
普通の生きている人間と同じに見えるのに。
この花瓶も机も近いうちに
片付けられるだろう。
わたしが死んでしまった事を、
わたしがいたこと自体をなくしてしまうように。
「変わっていくんだね、わたしは死んだの……ううん、殺されたのに」
懐かしい気持ちで教室を眺める。
日頃、
見ていなかった黒板横の掲示板まで。
学校行事予定表も
清掃予定表も別の紙に変化していた。
カレンダーも
私が知っていた紫陽花のものではなく、
七月らしい海の絵に――……
「七月!?」
わたしは愕然とする。
隣に貼られた時間割や
行事表と照らし合わせてみれば
今日は七月の四日。
「そんな……まだ六月のはずじゃないの……!?」
わたしの記憶では
カレンダーはまだ
六月に入ったばっかりのはずだった。
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