【第三章 一か月後の校舎】

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「死んでた間に一か月経った……?」 そう考えるのが 一番、自然だ。 まさか幽霊となって未来に タイムリープしてきたというのではあるまい。 「でも、それならどうして一か月後に?」 死んでからすぐ化けて出るのが 幽霊というものじゃないんだろうか。 何かヒントはないかと カレンダーを見渡す。 下旬のある日にちに記された 小さな文字に目がいった。 咄嗟に脳裏をよぎる 田舎の祖父母。 茄子ときゅうりで作る乗り物。 「そうか、お盆……」 霊の力が強まる日が 近づいているのだ。 それで暗闇でもがいていた わたしも目を覚ましたのかもしれない。
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