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「もしかして、わたし、学校から出られないの?」
校門だけでなく先生の出入り用に
使われている駐車場に面した裏門や
自転車置き場近くの
緩んだフェンスから抜け出そうとしたが、
どこもかしこも
静電気のような衝撃に阻まれてしまう。
職員室からも電気が完全に消えて、
駐車場も空っぽになってしまう頃に
なってようやく踏ん切りがついた。
「そっか、わたし家に帰れないんだ……」
両親がこちらへ赴かない限り、
会うことは不可能ということだ。
そして死んでしまった娘が
通っていた学校に
親が出向くことなどあるのだろうか。
それはすごく悲しいことのはずなのに
今日一日で色々なことがありすぎて、
すとんと心の端に綺麗に着地してしまった。
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