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「わたし地縛霊なのかな?」
理屈は分からないが
とにかくわたしは
学校の敷地より外には出られないらしい。
戸締りを見落としていたらしい
一階廊下の窓から
再び、校舎の中へ侵入して
日中、占領していた
屋上へ続く階段の踊り場へしゃがみこむ。
屋上は危険性を理由に
立ち入り禁止になっていたので
実質、行き止まりとなっており、
薄闇に包まれた隠れ家的好スポットだったが、
五階まで上がってくる労力と鑑みて、
やってくる生徒はほとんどいなかった。
掃除場所からも外されて、
使用されていない体育祭用の赤コーンだの、
机と椅子のセットだのの
ガラクタに埃が分厚くつもっているが、
死んでしまったわたしには何の影響も及ぼさない。
寒さも感じない体で、
コンクリートの冷たい床に
海老のように丸まって寝たら、
気のせいかも知れないけれど、
きんと頭が痛むような、そんな気がした。
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