【第一章 わたしは死んでいる】

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そんな感じで 投げやりに入学したんだけど、 典型的な ギャルファッションのえーこ (彼女の名前は英子なんだけど、 本人なりに古臭いと思っているらしく、 伸ばして発音しないと怒る) 黒髪ショートで 成績もいい有香 (真面目そうな外見に 反して実は中身は えーこよりふっとんでる とんでもキャラだった) 中学校が同じで元々、 仲がよかったわたしと 同じく第一志望にすべった瑞穂 (彼女の第一志望は 市外のお嬢様学校 芙蓉女子学院だった) 三人といつもつるんで、 放課後に適当なお店に入って 遅くなるまで喋ったり 深夜まで メールのやりとりをしたりして それなりに 高校生活に希望が 見いだせていたはずだったのに。 「どうして、わたし死んじゃったんだろう……」 冷静になって改めて、考える。 誰もいない廊下で 一人、つぶやく。 これまでに何度も自問した。 でも、いつでも答えはでない。 「どうして……?」 なんでこんなにも 死んでしまった後なのに 苦しまないといけないんだろう。
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