【第一章 わたしは死んでいる】

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可能性を 一つずつしらみつぶしにしていく。 「絶対に自殺じゃない」 自殺するほど わたしは何かに 追いつめられていなかった。 嫌な事が あったりした日は いっそ一思いに 死んじゃいたいなんて 思ったりもしたけれど、 一過性のもので 本当に命を絶ってしまうほど 追いつめられてたわけじゃない。 「交通事故?」 駅が近いけれど、 徒歩通学のわたしは 暗くなった道路で はねられていてもおかしくない。 でも――…… 「何かにはねられたっていう感じじゃなかった気がする……」 おぼろげに残る、 死んだ直後の記憶。 闇の中で息苦しくて ひたすらもがき、 すさまじい苦痛の中、 意識が点滅して何もかもがいなくなっていく。 「……もしかしてわたし、誰かに首を絞められて殺された?」
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