【第二章 わたし誰かに殺された?】

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誰が、誰が、誰が、誰が。 「誰がわたしを殺したの!?」 半狂乱になって頭を抱える。 こぼれ落ちた涙がスカートに染みを作るけど、 床に落ちた一滴は 染みを作ることなく溶けて消えてなくなっていく。   それを見てさらにパニックになる。 手当たり次第に 当たりの物を壊したい気分だった。 でも、それもできなかったら? その時の事を考えると怖くて、 実行することができなくなる。 じっとしゃがんでいるうちに またチャイムがなって、 廊下がざわざわと騒がしくなった。 女子トイレにも 明らかにオーバーしていると 思われる人数が流れ込んできた。 涙でぐずぐずになった顔を 強引に袖で拭い、立ち上がる。 彼女たちの大半の目当ては 手洗い場の鏡だ。 そこでナチュラルメイクを直したり、 授業中つっぷしていた時に 出来た寝癖を直したりする。
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