優しい悪魔の育て方

先ず始めに……

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「サビ頭～！ サビ頭のベラが来たぞぉ～！」

「こっち来んなよ、ブサイク！」

　小高い丘の上に立つ銀杏の木のたもとで、子供達の甲高い笑い声が巻き起こる。村全体を見下ろせるこの丘は、彼等の格好の遊び場所だった。

　いつもなら木の枝を剣に見立てて決闘をしたり、銀杏の実を秘密の隠し場所に埋めたりと、やらなければならない遊びがたくさんあって忙しい。
　しかしこの日はそれらの予定を全て返上してでも、構わなければならない玩具があった。