天女、舞い降りる

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一同は唖然としてソレを凝視した。 靡く髪。 藤の花を思わせる着物。 白い肌。 閉ざされた瞳。 そして、宙に浮かんだままの身体。 見る者の心を捕らえて離さない、その姿。 正に天女を思わせる。 「……綺麗、だ…」  斎藤は素直な感情を言の葉に乗せて空に出した。 その目は宙に佇む彼女に奪われたままだ。 「………総司、どう思う」 「…今は何とも。人間かどうかも分かりませんし」 土方たちは少し離れた所にいるからか、驚きはしたものの冷静に思考を巡らせていた。 いきなり現れた女。 その正体は未知数だ。  
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