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訝しい視線と共に投げられた言葉。
鋭い瞳は疑いの念が込められている。
「違いますが…?」
しかしあやめは気付けない。
ここは映画村なんかじゃ無く、遥か昔の時代にいる事を。
それ故に、自分が可笑しな発言をしてしまった事を。
あやめはまだ気付けないでいる。
「…嘘は言うな。性がある意味、知らない訳じゃねぇだろう」
土方はあやめの答えが癇に触ったのか、眉間の皺がより一層深くなる。
こんな状況で虚言とは、愚かな行為だ。
「あの…先程から何を言っているのか分からないんですが。…ここは何処ですか?そもそも何で私は此処にいるんでしょうか?」
事の大きさに理解出来ないでいるのは、とても不利だと思う。
無知とは、恐ろしいものだ。
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