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土方と沖田が揉めていた頃、あやめは斎藤の腕の中で決心していた。
きっと、これをしなければ自分は生き残れない。
そう確信して。
不器用な優しさをくれた彼に委ねてみる。
命の保証は、無いけれど。
「斎藤、さん…私の話…聞いてくれますか?」
勇気を出して。
一歩踏み出してみる。
何もしないよりは、絶対いいから。
「……聞こう」
斎藤はあやめの目が強い決意を秘めているのを垣間見る。
真っ直ぐ胸を射抜くその瞳は、心惹かれる。
そして斎藤は度肝を抜かれる話に衝撃を受けた。
あやめの話はとても奇妙で、不可思議で、妙に納得するものだった。
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