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耳が痛く感じる静寂(しじま)
あやめは再び土方の前にいた。
左右横には斎藤と沖田がいる。
先程と同じように、逃げ道を塞いで。
「で、その話とやらを聞こうじゃねぇか」
土方は煙管を銜えてあやめを見据える。
その鋭い眼差しは、嘘偽りなど決して許しはしない。
そう意味が含まれている。
もし、仮にあやめが彼を出し抜こうと嘘を言えば斬られるだろう。
土方本人では無く、横にいる沖田によって。
だがあやめには出し抜く力は無い。
元を言えばそんな気持ちも無いが。
「今から言う事…嘘偽りはありません。どうか最後まで、聞いて下さい」
私は、先の世から来ました。
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