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「ほら来いよ、寅ぁ」
罵声を浴びせられる寅の頭は、煮えたぎる憎悪を何とか少年にぶつけようと力を入れる。
それでも動かない体。
…するとヤコゼンは思いもよらない行動を取り始める。
『何とか一矢報いたい。 だがそれは無理な話でしょう。 あなただって、頭一個潰されてるんですから~!! ざんね~ん!! …っておい、おい、おい、おい。 待って、待って、待って、待って~!! 何やっちゃってんの? 何やっちゃってんの~ヤコゼン?? 皆さん見てください。 コイツ喰っちゃってます。 獅子の頭食べ始めちゃいました。 床から頭を引き離す為なのか~!? それとも目の前にネコの干物があったから思わず夕食にしちゃったのか~!? ネコ語が分かるのなら是非インタビュー敢行したいところだがムシャムシャやっている~! いかれ猛獣ヤコゼン。 恐るべし精神力です!!』
頭一個を骨の髄まで完全に捕食。
食事を終えるとヤコゼンはとうとうその体を持ち上げた。
そして怒りに地鳴りする程の雄叫びを木霊させると、少年に向かって走り出した。
右首から血しぶきをほとぼらせて。
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