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…が、少年はその前足2本の間に絶妙に体を入れ、頭の下に潜り込むと、右首の獅子のあご目がけ足でおもいっきしかち上げた。
「手荒なあいさつで勘弁してよね、らいおん君」
急所にジャストミートした獅子の頭。
脳が揺らいでおり、目の焦点が合っていなく、うなだれる。
蹴り終えた死に体の少年に左首の寅が噛みつきにかかるが、片方の意識が飛んでいる今、その体の神経の疎通は不完全で捉えるには至らない。
少年は体勢を立て直し、また距離を置く。
人体への攻撃なら数時間は夢の中へいざなうもの。
だがそこは猛獣、すぐさま意識を立て直すとプッツン。
鼻息を荒げ、4つの目を血走らせ更にスピードを上げ攻撃を仕掛ける。
これは速い。
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