色欲

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絨毯の柔らかい感触を足に感じながら、長い廊下を歩く。 それにしてもこの建物…無駄に高級感がある。 …何処かの洋館か何かなのか? 「ねえ。これから行動を共にすることになるんだし、名前くらい教えてくれない?」 ポニーテールの女が唇を尖らせながら言った。 こんなときに親近感を深めている場合じゃないだろ…。 「尾田宰。高1」 そう思ったとき、制服の少年がふてぶてしく名乗った。 「いいんじゃないの?名前くらいは」 「じゃ決まりね」 ニコッとポニーテールの女が笑った。 制服の少年が尾田宰、高1。 ポニーテールの女が中尾砂都美、美大生。 眼鏡をつけた男が珠洲道晃、医大生。 ヘアピンで髪をとめているのが九条琉聖、高3。 少し吊った目をしているのが尼寺裕太、高2。 青髭を生やしているダラしない男が田島秀雄、フリーター。…らしいが多分ニート。 そして、俺、安斎洋輔が毒殺された男を含め今回拉致された8人らしい。 「みんな、罪とか覚えある?」 「俺はない」 透かさず裕太が答える。 「へえ?そおなの?その割にはちょっと目が泳いでるんじゃない?」 砂都美が顔をグッと近寄せ、裕太を茶化す。 裕太はそんな砂都美を睨む。 「ふふ、かーわいー」
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