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「っぐぅ!?」
音が鳴り終わった時だった。
突然、肥満体型の男が呻き倒れた。
「ぅ…がぁああぁあああ!」
口端から唾液を流し、泡を吹く。
眼鏡の男が太った男の元へと駆け寄った。
素早く右手の人差し指を確認する。
「やっぱりそうか…!」
メガネがこちらを向いてそれぞれの顔を見回した。
「毒だ」
「ちょっと待てよ。さっきまでピンピンしてたんだぞ。どうやって毒なんか…」
「これを見ろ」
メガネは俺の方へ男の人差し指を近付けた。
針か何かで指を刺した後のように血がぷくぅっと溢れていた。
「おそらく…この機械に毒針を仕込んでいたんだろう」
「なるほど…。1人ずつ殺していくってことか」
まるで、売られた喧嘩を買ったときのように少年が不敵に笑った。
よくまあ笑えるな…。
『生キテイル方々ハ扉ヲ開ケテ進ンデ下サイ。モウ扉ハ開イテイルハズデスヨ…ククク』
さっきの指紋認証を全員にさせることで扉が開く仕組みになってたのか…。
まったく、手の凝ったことをするのが好きな奴だな。
中央の扉を開け、俺たちは部屋を出た。
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