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彼女のプレゼントが入った紙袋を片手に俺は夕方の道を歩く。
冬ということもあって、既に空は真っ暗で街灯の少ないこの道は一段と不気味に見える。
「さみー…。早く帰ろう」
俺はマフラーを巻きなおして、家路を歩いた。
それにしてもおかしい。
俺の足音の他にも誰かの足音が聞こえる気がする。
俺は確認するために後ろを振り返る。
しかし、そこには閑散とした道が広がるだけで、人影一つなかった。
…おかしい。
俺は再び足を進める。
…やはり、俺の足音の他にも違う足音が聞こえる。
「誰だよっ!?コソコソしてないで出てこいよ!!」
足音の聞こえる方へ叫んでみても、誰も出てこない。
…俺の気のせいなのか?
いや…気のせいのはずはない。
確実に誰か俺の後をつけている。
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