大罪

2/6
前へ
/12ページ
次へ
激しい痛みで目が覚めた。 なんで俺…こんなとこに…。 ああ…、殴られたんだったか。 俺は辺りを見回した。 くそ…、暗くて何も見えやしねえ…。 俺は壁を手探りで探しだし、立ち上がった。 電気のスイッチのようなものはないかと壁を触りたくってみる。 すると、何かが手に当たった。 …ドアノブ? 俺はノブのようなものを回し、前へ押してみた。 やはり扉のようだ。 ギィィ…と木の軋む音が鳴る。 そのときだった。 「誰だっ!?」 何者かの声が響いた。 …俺の他にも誰かいるのか? 俺をここに連れてきた奴? いや、それならこの部屋にいるのは俺だけのはずなんだから"誰だ"という言い方はおかしい…。 それとも、暗いからわからないだけでこの部屋にまだ人が…。 「こそこそしてないで出て来い!」 その声と同時に強引に扉を開かれた。 光りが一気に俺を照らす。 …眩しい。 俺は開きにくい目を無理矢理開ける。 「…なんだ、お前ら」 思わずボソリと口から零れた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加