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「…俺たち全員…罪を犯してるって言うのか」
背の高い男が震える語調で言う。
『…ワカラナイデスカ?自分ノ罪』
「そもそも俺は…罪なんて犯してない」
『ホー、ソレハソレハ…。ククク、アナタハ罪ヲ犯シテイマス。大罪ヲネ…』
「だったら俺の罪とやらを言ってみろよ!」
『残念ナガラ、アナタノ相手ヲシテイル時間ハ私ニハナイノデネ…。最初ニ私ガ二択ノ質問ヲシマス。…正直ニ答エテ下サイ。
アナタガタハ…イキタイデスカ、死ニタイデスカ』
何だ…、この質問。
そりゃ…死にたくなんかない。
生きたいに決まってる。
『…イキタイ方ハ本棚ノ方ヘ、死ニタイ方ハ机ノ方ヘ移動シテ下サイ』
ぞろぞろと一斉に動きだす。
行く方向は皆同じ本棚の方向だった。
…まあ、当たり前か。
みんな死にたくないだろうからな。
『全員デスカ…。予想通リデスネ、ククク。アア、言イ忘レテイマシタガ…生キ残レルノハ1人デス』
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