7人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわ!」
次の瞬間、後ろにいたルクスが壁に叩きつけられた。
「ルクス!…くそっ!」
リオは力いっぱい剣を振り、触手を千切った。
「おい!?ルクス!しっかりしろ!!」
リオは肩を揺するが、うなだれているだけでルクスからは返事がない。髪をつたって血がルクスの美しい頬に絵を描く。
「くそ!」
リオに触手を切られてもがいていた怪物は、目のようなモノに赤色を灯していた。
そして、怪物は生きているリオに全ての触手を向けて突く。
〔………ダメ…か…〕
瞼を閉じた。
瞳は闇を映した。もう自分は死んだのだ。
足元は水に浸かっている感じで、あの場から全く変わらない。そう。変わってないのだ。
恐る恐る瞼を開く。
そこには銀髪長髪の人形のような人が立っていた。
……ルクス
「あ?お前なんで…!?」
ルクスの血はそのまま流れている。
リオの呼びかけには返事がない聞こえていないかのようだ。
リオが唖然としていると、怪物が喚きもがきだした。
ルクスの腕を手まで辿って見ると、彼の手にはどす黒い怪物の血に染まった触手が握られていた。
すると、ルクスの目がリオの視線と出会った。
「ひ……」
リオは赤色の瞳を直視した瞬間に恐怖を感じ、そのままリオは気絶をした。
最初のコメントを投稿しよう!