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「!!!!」
「やぁ、リオ。お怪我は-」
「ち…近寄るな!!」
「………。」
こんどは自分が殺される
そう体が感じたから、こんな恐怖は初めてだから、とっさに自己防衛した。
横にあった剣を震える手で持ち、目の前のに向ける。
しかし、その目の前のには先程とは全く違う何かがあった。
ルクス…彼の瞳には何故か深い悲しみがあるような気がした。
「嫌われちゃいましたか、」
しょうがない…けれど絶望と悲しみ、寂しさを含めた微笑みを彼はリオにむける。
「大丈夫。変なことはしません」
そう言って彼はリオの脚に手をかざす。
ルクスの綺麗な手から美しくもどこか、あたたかい光が灯る。すると、リオの脚にあった深い血の亀裂は完全に塞がってしまった。
「お前…!?」
「詳しくはわからないのですが私、治癒能力を持ってるようです。。恐ろしいでしょう?」
スッと手をどけながら、とても悲しく微笑むルクスを見て思った事を素直に口に出してみた。
「お前…記憶…ないのか??」
静かにルクスはうなずく。
「酷いこと言って悪かった…。」
「いえ…。自分でもわかってますから。」
しばらく沈黙が漂った。
最初に口を開いたのはルクスからだった。
「リオが来る前、転んで怪我をした子供がいたんです。女の子でした。とても痛そうな傷だったので、つい、治してみたんです。」
「罵られたのか??」
「いいえ。その子は私に笑顔で 「スゴいね。ありがとう」と言って、母親の所へ帰りましたよ」
「よかったな。」
「母親には、嫌われましたが…」
結局は嫌われる運命…
「おい!!」
「は…はい?」
「お前はいいもの持ってんだから❗胸をはれ❗お前みたいな、女だか男だかわからん奴ちっとも怖くない‼」
今、自分に言えるのはそれしかなかった。
この男はあまりにも可哀想すぎる…
誰かに認められないのは悲しい現に、目の前の人間は優しさを持っているじゃないか…
すると、ルクスは困ったような嬉しいような表情の微笑みで
「リオ…ありがとう…」
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