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「それにしても…警備が薄い。」
二人は数時間歩いた。
しかし、研究所といえばそれらしいが…警備員が全く見当たらない。
「確かに少々不気味ですね…
つきました。この扉です。」
二人は、一つの大きな扉にたどり着いた。
「開けるぞ。」
かたわらにあるスイッチをリオが押す。
シュー…シャッ!!!
扉が開く…
そこには想像もしない光景があった。
「な……!?」
リオが見たものは、黒い薔薇の園だったのだ。
そこに、独りぽつんと人間がいた。
「あなた…誰?」
とても澄んだ声がリオの体を通り過ぎる。
「お…俺は…」
「私はルクス。彼はリオ。初めまして。サティン。そしてお久しぶりです」
ルクスがリオのかわりに自己紹介をした。
しかし、薔薇の中心の人物は聞いていないかのように話をする
「私の名前を知っているのは、 ルディスだけよ?」
「ルディスの体は100年も前に死にましたよ?」
〔何の話をしているんだ?〕
リオは2人の会話に全くついていけない。
「この場所を知っているのはルディスだけよ?」
声からして、まだ13才くらいの少女だろうか?そんなことを考えていると知らない声が現れた。成人男性のしっかりとした低い声。しかし、安心できる柔らかい声だ。
「私の魂のカケラさえもわからなかったのか。残念だな~私はこうして現世に来たのにな」
リオが驚きのあまりルクスの方を見ると、そこには見知らぬ男がいた。
知らぬ間に霧がたちこめていてよくは見えなかったが、長身の男がいた。
「実は頼みがあるんだが…聞いてくれるか?お嬢さん」
すると、男はこちらにむかって歩みはじめた。
少しずつ、シルエットがハッキリと見えてくる。
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