第二章

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「それにしても…警備が薄い。」 二人は数時間歩いた。 しかし、研究所といえばそれらしいが…警備員が全く見当たらない。 「確かに少々不気味ですね… つきました。この扉です。」 二人は、一つの大きな扉にたどり着いた。 「開けるぞ。」 かたわらにあるスイッチをリオが押す。 シュー…シャッ!!! 扉が開く… そこには想像もしない光景があった。 「な……!?」 リオが見たものは、黒い薔薇の園だったのだ。 そこに、独りぽつんと人間がいた。 「あなた…誰?」 とても澄んだ声がリオの体を通り過ぎる。 「お…俺は…」 「私はルクス。彼はリオ。初めまして。サティン。そしてお久しぶりです」 ルクスがリオのかわりに自己紹介をした。 しかし、薔薇の中心の人物は聞いていないかのように話をする 「私の名前を知っているのは、 ルディスだけよ?」 「ルディスの体は100年も前に死にましたよ?」 〔何の話をしているんだ?〕 リオは2人の会話に全くついていけない。 「この場所を知っているのはルディスだけよ?」 声からして、まだ13才くらいの少女だろうか?そんなことを考えていると知らない声が現れた。成人男性のしっかりとした低い声。しかし、安心できる柔らかい声だ。 「私の魂のカケラさえもわからなかったのか。残念だな~私はこうして現世に来たのにな」 リオが驚きのあまりルクスの方を見ると、そこには見知らぬ男がいた。 知らぬ間に霧がたちこめていてよくは見えなかったが、長身の男がいた。 「実は頼みがあるんだが…聞いてくれるか?お嬢さん」 すると、男はこちらにむかって歩みはじめた。 少しずつ、シルエットがハッキリと見えてくる。
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