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「はっ」
夢…
なんとも生々しい過去の一部。
「やぁ。起きられましたね。どうですか?お気分は。」
そこには暗黒部隊の隊員ではなく、髪の長い…別の人間だった。
「ついに牢屋行きか…。で、死刑はいつになった?明日か?別に今日死んだって同じだがな」
自分以外に人が側にいるのは、少なくとリオにとって『死』を意味する。
しかし、返ってきた応えはそれとは関係のない、別のものだった。
「君は頭を強く打ったんですね~。あぁ!最近は医療施設のことを牢屋と呼ぶのが流行ですか~」
「…。」
何をふざけているのかわからない。 そんな意味の視線を目の前の長髪に向ける。
「確かに、病気が治らず、何年も入院されている方々にとっては牢屋、そのもの。ですが、牢屋とは罪人を留置するための場所であって、病院などとは全く別な…」
長髪の喉元の長刀の冷たい感触が言葉をさえぎった。
どんな人間でも、さすがに怯え喚く行動だ。しかし…
「どうしました?…ああ!!」
「お前…!?動くな!!お…おい!?」
ドサッ!!
目の前の人間が突然普通に動くのでバランスを崩したリオは、後ろに尻餅をつく。
しかし、当の本人はそのまま別の部屋へ消える。
何やら焦げ臭い…。
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