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「俺、蓮見のこと好きだ。だから、付き合って…」
「…うん。」
色気も何もあったもんじゃない。
そんな告白から早二年、私は高校二年生になっていた。
親友で彼氏の佐久間玲志は、二年前と変わらず、私に毎日愛を囁いてくれていた。
しかし、そんな生活が続き過ぎたせいか、最近つまらなさを感じていた。
「真胡、次の休みどこ行く?」
「どこでも~…、玲志の行きたいとこでいいよ。」
「…わかった!」
毎日会って、週末どこに行こうって話をしている。
毎週決まってデートに行くのだ。
私はそれすらつまらなくて、返事を曖昧に返す。
でも、玲志は私の態度の変化にも気付かずに楽しそうに行き先を決めるのだ。
「…なんか、びっくりすること起きないかな……」
「えっ?」
「ううん…、なんでもない」
「そう?…なら、いいけど……」
呟いて、考えるのをやめた。
玲志が驚くことはあっても、私が驚くことはたぶん無い。
玲志と付き合っている限り、この代わり映えしない毎日は続いていく。
楽しそうに行き先を決める玲志を眺めながら、次のデートで玲志に別れを告げてみようと決心した。
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