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―カフェ―
私は玲志の返事を待たずにカフェに入った。
早く別れ話を切り出したかったのだ。
「あ、コーヒー一つ」
「かしこまりました。お客様は?」
「あ、俺ミルクで!」
「かしこまりました。少々おまちください。」
店員さんを見送って、泣き顔の玲志を見た。
「…なに?」
「…泣いてるの?」
「…ぅん」
「どうして?」
「…真胡が、怒ってるから……」
「…怒ってないって言ったじゃん」
「でも…いつもと態度が違う……」
「…はぁ~…、気付くの遅すぎ」
「え?」
「…もう半年前くらいから態度違うの、わからなかった?」
「…わかってた」
「っ!?」
びっくりした…、気付いてたんだ…
「じ、じゃあ、どうして何も言わなかったの?」
「…怖かったから」
「何が?」
「別れを…告げられるのが……」
「…もし、告げられるたらどうするつもりだったの…?」
「わかんねぇ…、でも、立ち直れない…と思う。」
「…玲志、ううん佐久間くん」
「っ?!」
「…私と、別れてくれない?」
「…な、……んで…」
「嫌いになったわけじゃないの…。でも…、思うだけで苦しくなったり…キュンってしたり…、そういう感情が無くて…だから、ごめん」
「………っ…、………ヒック……」
玲志は顔を俯けたまま静かに泣き出した。
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