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「その方法は何だ?
僕に手伝える事はあるか?」
と僕は尋ねた。
すると彼女は言う。
「お前の命を戴く事だ」
僕は一歩下がった。
「それ・・・本気で言ってるのか?」
ファーストサウンドは頷いた。
「この世界から出たらその傷は癒えるのか?」
ファーストサウンドは頷く。
「お前はこの世界から出たいのか?」
「あぁ。出たい」
「もし、僕が命を差し出せばどうなる?」
「お前は死ぬ。
そして<吸血鬼>として蘇る」
僕は迷っている。
一世一大の選択
どちらを選んでも正解では無いだろう。
むしろどちらもハズレだ。
命を差し出せばもう人間では無くなる。
ファーストサウンドを見捨てれば僕は一生後悔するだろう。
なら僕は誰かの為にこの命を捨てよう。
僕が選んだ選択肢は彼女の為にこの命を捧げる事だ。
「さぁ、持ってけ僕の命を」
僕にはもう迷いは無い。
「お前、本当に言っているのか?」
「あぁ、本当だ
ただし条件付きだ。
無料で死ぬなんて御免だからな」
僕は条件を付けた。
「その条件は?」
ファーストサウンドは何故か恐れていた。
何を考えているんだ。
「条件は三つだ。
一つ、人を襲わない事。
二つ、自分勝手な行動は許さない。
三つ
僕の言う事は絶対だ」
場の空気が凍った。
「あれ?変な事言った?」
恐る恐る僕は聞いた。
「あぁ、お前はやっぱりただの変態だな」
彼女は呆れた様に言った。
「やっぱり!?
どういう事だ!!
初めて会った時から変態って思っていたって事か!?」
僕は問い質す。
「まぁ落ち着け」
「僕は変態じゃない!
断言する、僕は決して変な事は考えてない!
<シスコン>とはよく言われるけど」
体が熱い。
大分と血が上っているようだ。
「やはり変態だな」
僕をからかう様に彼女は言った。
遊ばれているみたいだ。
いや、実際遊んでいる様にしか見えない。
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